奥村厚一 (おくむらこういち) 1904-1974 日本画家/京都市出身

明治37年7月1日京都市北区生まれ。得意とした風景画を生涯描き続けた。本作といわれる比較的大きな作品の他に、奥村の原点ともいえる遺作スケッチの数々は本作とはまた違った味わい深さがあると定評がある。時代によって表現に差異はあるとしても、光や空気感をいかに捉えるかといった姿勢は生涯一貫していた。穏やかな光に満ちた、いつかどこかで見たような懐かしい日本風景の抒情性は、伝統と職人の町京都という独特の気風と、明治大正昭和という激動の時代の中、日々画板を携え山野を巡っていた少年時代からの自然風物に対する憧憬と思いを晩年まで変わらず心にもち続けたことによるものだ。そしてそのまま最後まで、自然とお酒をこよなく愛し衒いのない人生を風のように駆けぬけていった。